我が街沼津 新しいお店がオープンしました。栗せん ほさかです。
NEWBORN 新生栗せん
古く伝統のあるものが、新しく産まれ変わる時人はどんな期待を寄せるのだろう?
それぞれの想い出の中の栗せんがあり、一度は消えた味、それが復活する機会に人は何を期待するのでしょう。そもそも味とは作るものの伝えようとする味と、それを食べて感じる味は違うのかもしれません。
栗せんはほさかの看板商品でした。ほさかというお店を知っている人は、栗せんを知っていたし、栗せんといえばほさかでした。
白いんげん豆(手亡豆)を原料として、昭和天皇献上されたお品、工場の機械が壊れ作れなくなってしまったと聞いた時は、私もショックでした。他のお品でお店は開いていたものの、おかみさんは、栗せんが本店にならあるかもと期待して来店されるお客様に、いつもご丁寧に謝罪されていました。今回の復活は本当に私も嬉しいです。
12月9日(木)12時よりほさかの新しい栗せんがお目見え、店頭に並んだ人たちに、お手紙とともに1枚1枚個装された栗せんが、次々と手渡されていきました。

「楽しみにしていたんですよ」そんな声が聞こえてきた。

工場の復活ではない、このお品がおそらく駅や他のお店の店頭に並ぶことはないだろう。この本店の建物の中に機械が設置され、ここで焼かれるのだそうだ。だから他のおせんべやゴルフ饅頭などは並ばない。ほさかの栗せんから栗せんのほさかに変わったのです。
一品にかける覚悟、老舗の覚悟、これから伝えたい味を吟味したのだろう。老舗の積み重ねをハートが包む、そんな感じが伝わってきました。

お店の前にテーブル一つ、何日か前からのお店の前の告知のみ、宣伝などしなかったようです。
新しい味を試せる味ききの機会は、告知をみてきた人や偶然通りがかった人には思いがけないサプライズ、店頭には笑みが溢れていました。売るときと同じ個装での手渡しは、味の感想をお店の方々はわからないのでしょう。
味ききとは…
その言葉に、ほさかの心粋が垣間見える気がします。
では実際に味わった私の感想は、何枚も食べたくなる味、1枚の栗せんは決して主張をしていません。それが以前の栗せんとは全く異なる点だと私は思います。後味がよく、お茶にもコーヒーにも合う味です。
12月17日(木)発売が楽しみです。