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小さな本屋と小さな出版社

我が街沼津シリーズ 今回は小さな本屋さんの投稿です。

住宅街の片隅にそのお店はある1軒屋の玄関を入ると自宅のリビングのようなスペースが目に入ってくる。

私にはそこが宝箱のように見えた。

天井いっぱいに並んでいる本

ふと横には小さい頃の自分の娘がいるような気がした。そう娘が小さかったらなら、きっと私は彼女の手を引いて

ここに通い詰めていただろう この店が一瞬で好きになった

お店の名前はグリム

絵本専門店「絵本と人が出会う場所」ホームページのコンセプトにそう書いてある。ホームページによるとおよそ3500冊の蔵書だそうだ。一つ一つ店主の思いがあるそんな気がする空間だった。

この日のイベントは、ちびくろサンボを復刊させた出版社、瑞雲舎の井上みほ子さんの講演でした。

読み聞かせのボランティアや絵本講座の講師としても活躍されているみほ子さんの語りは、スーと心に落ちてくるそんな語りかただった出版社の代表とは?どんな仕事なんだろう。

コロナ禍の中で、ひたすら本を発行することに奔走している話は、良いものを作るという感覚とは違い、良いものを知っている人が良いものを世に出していくそんな感じがした。

本の作者は、他にいる。それを世に出す仕事としての目利き、そして作者を尊重する視点の高さ、それが話題の中に随所に現れていた。

改訂版「詩集 孔雀のパイ」は、初版から25年の月日が経過した本の改訂だった。その発行の秘話は、気の遠くなるような細かい作業の話の連続で、特に印象的なお話は、作者が詩を読んだ時に音として言葉を意識すると、言葉を変えたいと思うことが多かったことでした。文字では、きちんと違いが書かれていても音として伝えた時には、違うイメージで伝わってしまうことがある。

例えば、わたしのふねと書いてあったなら、あなたはどんなことを想像しますか? 恐らく私の船と想像する人の方が多いのではないかと思います。でも本に書かれている文字は、渡しの船だった。これでは伝わらないと詩を読むと想定して言葉を加えていったのだそうです。そのような視点で訂正が入り、改訂版は新しく生まれ変わる本になったんだそうです。

みほ子さんの作る本は、人と人との間に本があることが浮かぶから不思議です。本を囲む風景、それは本を囲んだそれぞれの人の感性の違いも感じられそうで、世に出したあと本の可能性が読者の中で広がることがすごいことだと感じました。

まだまだ秘話はたくさんありました。それは、お会いした時の話のネタとしてとっておくことにします。

絵本の可能性を試してみたくなり、絵本コーチング講座をやることにしました。お知らせはまた後日、ご案内させていただきます。

グリムはお気に入りのお店になりました。またきっと書かせていただきます。

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