
神社で耳にする雅楽の音は、私にとって特別なものだ。心を整え、神聖な気持ちにさせてくれる大好きな音。でも、日常生活の中で触れることはほとんどない。
そんなある日、幼馴染が「東京楽所」で雅楽をやっていると聞いた。彼は小さい頃からサッカー少年で、そのまま迷いなくサッカーの道に進んだと思っていた。でも、私は知っている。彼が音にもリズムにも長けていたことを。なぜなら、小学校のコーラス隊でともに声を合わせたことがあるからだ。だからこそ、「彼の奏でる雅楽を一度聴いてみたい」と強く思った。
初めての雅楽、サントリーホールでの衝撃
雅楽の演奏会場は、サントリーホール。静かに舞台を見つめながら、私は「伝統芸能とはどんなものなのだろう」と考えていた。
演奏の前には解説があり、雅楽が「自然との共生」で成り立つ芸術であることを知る。日輪と月輪、左舞と右舞――そこには、太古から受け継がれる深い意味があった。
そして、演奏が始まった。
音が流れた瞬間、私の身体の細胞が振動し始めた。これは鳥肌とは違う。音が内側から染み渡り、共振し、震えているような感覚。目の前で舞う姿は、地上のものではなく、まるで天から降りてきたようだった。
この感覚をうまく言葉にできないもどかしさを覚えながら、私は雅楽の解説本を購入した。そして、少しでも多くの人に雅楽の魅力を知ってもらうため、次回の本のイベント「リーヴル・エスパース」に並べることに決めた。

沼津で雅楽を――私にできること
東京楽所に所属する彼は、今でも地元・沼津に住んでいる。全国で演奏を行い、そのたびに沼津から出かけている。でも、彼の雅楽が地元・沼津で披露されたことは、まだない。
私たち幼馴染があの音を共有したあの日から、みんなが口を揃えて言った。
「沼津で雅楽を聴きたい。」
この願いを実現するために、私にできることは何か。まずは、雅楽を知る人を増やすことから始めようと思う。候補地として真っ先に描いた場所はここです。

幼馴染と過ごした、自由な学びの場
そもそも、私たちが通った小学校は不思議な場所だった。公立でありながら、芸術もスポーツも、放課後に自由に関わることができた。
音楽会では、マリンバ、ティンパニー、アコーディオンなど楽器が豊富に揃い、好きなものを選んで演奏できた。そんな環境の中、彼は「好きなことはとことんやる」姿勢を貫き、今も雅楽の道を歩んでいる。その原点は、きっとこの場所にあったのだろう。
私も、私の道を歩む
彼の生き方を見て、改めて思う。
私の人生も、一つの道だけではない。これまで「浅くてごちゃごちゃしている」と思っていた経験も、実は「多面性を持ちながら生きる術」だったのかもしれない。
私も、私のやり方で。
まずは一歩ずつ、雅楽を広めることから始めてみようと思う。
東京楽所、来年のサントリーホールの新春雅楽は、2月7日(土曜日)です。秋にチケット発売予定だそうです。スケジュール皆さん空けてお出かけください。