物事をプロデュースするって、どんな頭の構造になっているんだろう。ふと最近そんなことを考えるようになった。
そんな時に、沼津でジブリの鈴木さんの講義が聞けると言うので沼津市民大学にいってきました。
鈴木さんの冒頭のお話は、今日はここにきたくなかった…仕事はしたくてしたことはない…まったりとした口調で語り始めたから、私は眠りに落ちてしまいそうになった。
なんでここにいるんだろう。そんなスタンスで話す口調は独特のリズム感で、確かに従来の思いを伝えたい講演とは違う。司会者の人との交わす言葉で成り立つ、要するに聞きたいことがあるから話すわけで、自分から伝えたいとは思っていないようだ。そして基本仕事は好きでやってるわけではないそうで、何十年それでもヘッドとして仕事をしてきているのだから、この人が惹きつけるご縁をもっと聞いて見たいと思った。そもそも最初に勤めた徳間書店の時に、沼津にはご縁があり何度か訪れていて、地元では有名は企業図書印刷さんの名前が真っ先に出た。よく会社の人と野球をしたそうだ。ご縁とは不思議なもので、前から白隠禅師が大好きで昼間沼津にある松陰寺を一人で訪れたらしい。だから大満足でこのまま帰りたいと本気で言っていたから思わず笑ってしまった。
そもそも目標を掲げて生きてきたことは一度もないそうで、できれば何もしたくないが本音だとも言える。でも運命って不思議なことで、出会ってしまった宮崎駿監督や高畑勲監督がもっと仕事はしたくない人達のようで、あれだけのものを産み出しているのにできれば仕事はしたくないが二人の監督の口癖のようです。
鈴木さんがプロデューサーとしてこうやって表舞台に出てくるのも二人の監督が、俺たちは映画を作っているのにさらにマスコミ対応までなぜしなくてはいけないのか?と鈴木さんに詰め寄ったようで、仕方なくやり始め今に至っているんだそうです。
人生って好きなものを追求するだけじゃなく、与えられた中でいかに生きて行くかを追求していくとそれが自分のスタイルになることもあるんだなと話を聞いていて思いました。
トトロは、鈴木さんが提案したもので提案した当時社内では誰も賛成しなかったそうです。それでも推し企画を通し宮崎駿監督が作成していったのですが、普段宮崎駿監督は映画作成においてはやりたくないが口癖で苦しみから産み出す作品が多いのだそうです。その点なぜかトトロの時だけは、毎日楽しそうに作っていた。だから鈴木さんは、上映当初トトロは全く人気がなかったが何も焦らなかったそうです。確信はなかったけど作品への信頼はあった。そしてじわじわと広がったトトロは今ではジブリの代表的な作品として一人歩きしているようです。
そもそも鈴木さんは、物事を原稿にまとめる仕事から社会に入ったそうで、見えているもの感じているものを伝えていくことに長けているのかもしれません。ますます私にとって鈴木さんに興味が湧いてきました。やはりリアルにお会いしてその人の言葉を聞ける機会って捨てがたい経験だなと…
17年続けているラジオ番組をまずは聞いて見ようと思います。
まだまだ鈴木さんの話の種から描きたいことはあるので、またお付き合いください 今日はこれまで