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1年されど1年

1年ってどんな時間なんだろう。1年前にはこのあいぞめ珈琲店は、存在しない。昨年の7月の伊豆山の土石流災害の後にできた人と人がつながるきっかけの場所だ。

私は土石流災害の1週間前に災害場所のすぐ近くのMOA美術館で行われた、船井幸雄記念館の5周年記念講演会に参加した。中村文昭さんの講演会でパラリンピックで国歌斉唱した佐藤ひらりさんの澄んだ歌声を初めて聴き、心のそこから笑い、心のそこから感動した。あの日も雨は降っていた。駅までの送迎もしたので、恐らく災害場所の近くも通っていたはずだった。

伊豆山の土石流災害が起きた日は、私の住む街の近くの橋も落ちた。主要道路の橋でまさか落ちるとは…思わなかった。朝から目の前が雨で見えないぐらいのひどい状態だった。それでも私は一日仕事をし、なんとか帰宅した。地元の雨の警報には恐れていたが、まさか熱海がこのような状態になっていたとは想像も付かなかった。友人からのそちらも大変そうですが大丈夫ですか?熱海も大変なことが起こりました…というメッセージを見ながら偶然テレビをつけると…ありえない光景が目に入った。

1年後、この珈琲店でリーヴル・エスパースを開催することになるとは… ご縁というのは不思議なことだなと思う。

何が起きたのか当事者でさえも、きっとわからず手探りの状態で1年それでも1歩づつ進めたのは…あいぞめ珈琲店の壁が語ってくれる。そう一人一人の心の応援があったからだ。

心を寄せる気持ちを言葉にして壁にみんなが自ら貼ってくれたのだそうだ。

今日は伊豆山の方々が、このあいぞめ珈琲店に集まり、一番上に何かを貼り始めた。

「伊豆山 絆」背中の文字が私にはグッと強く見えた。

「今年1年ありがとう」

どこに貼る?文字の順番は?そんな会話の中にありがとうの気持ちが溢れている気がした。

ここに来るとそもそも人とのつながりとはなんだろうと毎回新しい問いをもらう。

そして、この場に立ち会えた私に何ができるのかとまた次の一手としてできることがあると勇気をもらえるのです。あいぞめ珈琲店に本が並んだ1日、少しいつもと違う風景だったと思う。リーヴル・エスパースは、日常と少し違う風景を感じてもらう空間にもなりつつある、少しづつの変化ですが、次回開催をまた楽しみたいと思います。

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