
一杯の飲み物とは、あなたにとってどんな存在ですか?
専業主婦から、突然オフィス勤務になったとき。一人だけ時短、お昼休憩なし。社員さんと話す時間もなく、黙々と電話で顧客フォローを続けていた頃。
私が一瞬だけ笑顔になれる時間は、オフィスのコーヒーを飲むその瞬間だった。
「いくちゃん、ほんとに美味しそうにコーヒー飲むよね」そう言われたとき気づいた。
子どもを産んでから、ゆっくりコーヒーを飲むゆとりなんて一度も持てていなかったことに。
「会社っていいな。ゆっくりコーヒーが飲めるから」そう呟いた私に、マネージャーが笑った。
あれからコーヒーは、私が仕事モードへ入るためのスイッチ。欠かせない存在になった。

じゃあ、くつろぐ時間の必需品は?
子どもの受験と、両親の看護に追われていた頃。受験のついでに訪れた京都・嵐山で体験した
“ティーフリー90分”香り、味、注がれる音。忘れていた至福の時間がそこにふわっと戻ってきた。
その幸福感が忘れられず、思いきってメーカーに連絡をした。
そして amus tea を仕入れられることになったときの嬉しさは、今でも覚えている。
本を読む空間「リーヴル・エスパース」でも、そこから入場料をなくして「一杯の飲み物」を参加条件にした。
一杯だけのはずが、幸せそうにティーカップを持ちながら
本に没頭する参加者たちを見て、ティーフリーを思いついた。
定額で何杯でもおかわりできるように。
今でも amus tea を扱っている理由は、このお茶と人との向き合い方に、コーチとして“無限の広がり”を感じるから。
もちろん販売もしているけれど、忙しい誰かの手にそっと渡したくなって、ついプレゼントしてしまう。
試飲してほしいわけじゃない。買ってほしいわけでもない。
あめちゃんでも、チョコでもいい。ただその人が「ふっ」と幸せになるなら、なんだっていい。
ワンクッション置いて、自分を感じる時間を取り戻してほしいだけだから。
今、私の水筒は二つ。コーヒーと amus tea。
そして旅から帰ったときは、緑茶が必需品。
ちなみに amus tea は紅茶だけでなく、緑茶や烏龍茶もあります。緑茶は地元・静岡のお茶屋さんのものだけどね。

